韓国水産物の料理コンテスト、K・FISH料理大会~2018年、2019年

2019年9月5日、東京・池袋Graficaにて韓国水産物K・FISH料理大会が開かれました。

これは韓国水産食品の認証である「K・FISH」の広報などを目的として行われる大会で、主催は韓国水協中央会東京事務所、東京貿易支援センターです。2018年に第1回が開催され、2019年は2度目となります。

●K・FISHとは何か?
K・FISHとは韓国政府が認証した韓国水産食品のブランドです。韓国産水産食品のすべてが当てはまるわけではなく、厳格な検査を通過したものだけが認証されます。近年、韓国では食品の安全性に対する消費者の意識が高まっています(このところは、日本以上にそうだと感じます)。

●韓国水産物を取り巻く昨今の状況
韓国水産物といえば、2019年6月1日から「韓国産ヒラメなどの検査が強化された」というニュースが発表されました。これは韓国が東北8県の水産物を輸入禁止にしていることへの対抗措置、という声もあがっています。参考記事:韓国産ヒラメなど検査強化 政府、輸入規制への対抗措置(Sankeibiz 2019年5月30日)

食中毒防止という安全面を考慮したものであるようですが、輸入の際にはこれまでも季節に応じた検査が行われてきたといいますし、韓国産だからといって特に大きな心配はないようで、実際に日本での検査を経て小売店に並ぶわけですから、消費者には心配はないでしょう。

韓国水産物K・FISH料理大会
K・FISH料理大会は書類選考を経て、参加者は事前に食材を準備し、本選に臨みます。一般的な調味料などは準備されており、時間内にその場でスピーディーに盛り付け&調理をします。

2018年は水産物を使った料理であれば、どんなものでも構いませんでしたが、2019年はアワビ、ヒラメ、カキなどの韓国から輸入されている主要品目を使うという制限が加わりました。

まずは2018年の金・銀・銅賞受賞作をご紹介します。

―2018年金賞 「アワビのもちもち天ぷら」
アワビは日本に輸入されている韓国の水産物のなかでも目玉となる食材ですが、長年にわたってみずからアワビを輸入する社長が作った料理で、そうした点も評価されて金賞となったようです。

―2018年銀賞

―2018年銅賞

そして筆者も書類には韓国料理に対する様々な思いやエピソードを書き綴って応募し、審査を経て出場したのですが、見事に賞を取れずに終わりました。作った料理はじゃがいものチヂミ。韓国の東海岸の名産であるイカや韓国産のパプリカなどを使って作りました。

第2回(2019年)

―2019年金賞
今回金賞を受賞された坂本さんは結婚生活25年のなかで、義理のお母様とコミュニケーションと取りながら料理を一緒に作っているというエピソードをお話されていました。見るからに繊細な印象を受けます。

―2019年銀賞

―2019年銅賞

今回は女優・大桃美代子さんが出場。韓国の国宝(百済時代)の模型を並べられてなかなか雰囲気が出ています。協賛企業から賞を受賞されていました。

そして日本における韓国料理界のプリンス・キムチ王子こと金禎国さんの料理。アワビをふんだんに使っており、さらにタイトルもストーリーがありそうですね。

●終了後には懇親会も
大会が終了したあとには懇親会が開かれました。ここではコンテストに出品された料理に加え、趙善玉料理研究院の皆様が腕を振った料理の数々。これらもまた美味しい料理でした。


[写真は2018年]

K・FISH料理大会では、韓国から輸入されて日本に入ってくる水産物について知ることもできますし、大会での交流を通してそれぞれの思いを知ることで、日韓それぞれの食文化について理解を深めてみませんか。

料理大会に出場する際には味だけではなく、身だしなみ、衛生面、態度、そして最後に装飾までしっかりこだわることが大事だそうです。2020年以降の大会に参加される際には、エピソードもしっかり書いて応募してください。

吉村剛史(トム・ハングル)

投稿者: 吉村剛史(トム・ハングル)

1986年生まれ。ライター・メディア制作。大学時代から韓国にハマり、20代で韓国100市郡・江原道全18市郡踏破。1年8か月のソウル滞在経験があり、2021年1月に『ソウル25区=東京23区』を出版。新大久保の記事は「散歩の達人」2018年2月号 コリアンタウン特集、「新大久保コリアンタウン70年史」(海外ZINE)他 。プロフィール詳細 ホームページ Twitter:@tomhangeul