本格チゲをかんたん即席調理OK!韓国の田舎で無添加で熟成~江原道・トントゥヌン農家


旌善(정선、チョンソン)は、平昌の隣に位置する平昌オリンピックの際にアルペンスキーの競技が行われた場所でもあり、韓国3大アリランのひとつ、旌善アリラン発祥の地として知られています。

そんな大自然でいっぱいの旌善の山奥に、トントゥヌン農家(동트는농가)があります。直訳すると「(太陽が東から昇って)日が明ける農家」という意味。主にオーガニック素材を使った冷凍即席チゲを生産し、消費者に直接販売も行っている事業者です。

山あいに佇むトントゥヌン農家を訪れたのは、8月末頃。庭に入ると青々と美しい芝生が広がっており、小鳥がさえずり、鈴虫が鳴き、さらにニワトリの声も聞こえ、のどかな雰囲気。紫色を帯びたホウセンカをはじめ、数々の花も咲いていました。

きれいに整えられた庭の手入れにも農薬は一切使っていない、とのことで、人にとっても、虫たちにとってもまさに理想郷なのですが、そんな庭には味噌甕がずらりと並べられています。

さてトントゥヌン農家が販売する代表的な商品である冷凍即席チゲが以下の写真。水を加えて10分煮つめるだけで、家庭にいながら美味しく健康的な本格チゲが味わえる、というものです。韓国食堂に行かずとも、家で本格的な韓国家庭料理を味わえるのは魅力的です。

包装された紙のパッケージを触感もまた、自然にも体に優しい印象を受けます。韓国国内では最もよく売れているという清麹醤(チョングッチャン、청국장)チゲをはじめ、コチュジャンチゲ(고추장찌개)、旌善名物のコンドゥレナムル(高麗アザミ)が入ったテンジャンチゲ(곤드레 된장찌개)など全7種類の商品があります。

これらは2019年1月、越谷レイクタウンのイオンで行われたイベントの江原道特産物コーナーで試食を伴った販売も行われており、日本の消費者にも好評を得ています。ひとつ500円ほどで販売されていました。

下の写真はコンタン(콩탕)という豆のスープの中身。このように冷凍されて固まっています。これは一袋あたり1~2人前ということで、もちろん贅沢にひとりで食べてもよいですが、他の料理とともに家族で少しずつわけて食べてもよいでしょう。

下の写真は商品に使用されている醤(장)と豆類。パッケージにも記されているように、国産食材を使ったものです。

実際に作っていただいたのが、下の商品です。4種類のチゲが並んでおり、それぞれ清麹醤チゲ、コンドゥレテンジャンチゲ、コチュジャンチゲ、豆チゲです。

韓国の味に慣れている人は、どれを食べても満足できるはず。清麹醤チゲは韓国の納豆汁などと例えられますが、中には抵抗感を感じる人もいるかもしれません。とはいえ特に臭みは強くないので、美味しくいただけるはずです。

個人的にはコチュジャンチゲがお気に入り。見た目は赤いですが、ピリリと舌を刺激するものではなく、唐辛子味噌としての辛さなので、マイルドです(とはいえ、辛い物が苦手な方はやめておいたほうがいいでしょう)。コンタン(白い豆スープ)は、まろやかでクリーミーな印象。日本の味覚からすると、わりと薄味に感じるかもしれません。

正面の庭のほかにサイドにも庭があり、そこにも味噌甕が置かれていました。自然のなかで発酵、熟成が進められています。見学をしている最中にも芝刈りを行っているなど、手入れを入念に行っており、管理がとても行き届いています。

山奥の緑豊かな場所で熟成された味噌を使った美味しい韓国の田舎の味。ぜひそんな風景をイメージしながら、召し上がってみてください。

取材協力:江原道日本本部、동트는농가(トントゥヌン農家)

吉村剛史(トム・ハングル)

投稿者: 吉村剛史(トム・ハングル)

1986年生まれ。20代のうちに韓国100市郡・江原道全18市郡踏破。1年8か月のソウル滞在経験がある。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でライターデビュー。同年韓国の新聞・中央日報にも掲載。「海外ZINE(トラベロコ)」に連続寄稿中。新大久保の取材では「散歩の達人」2018年2月号 コリアンタウン特集、「新大久保コリアンタウン70年史」(海外ZINE)他 。プロフィール詳細 ホームページ Twitter:@tomhangeul