オリンピックの開催地・平昌(평창、ピョンチャン)と、そのすぐ東に位置する江陵(강릉、カンヌン)市王山面。バスの車窓から望むゆるやかな丘には青々しい畑が広がり、そこではキャベツや白菜といった高冷地野菜の栽培がおこなわれていました。
そこに位置するのは「GAMRO700(감로700)」という農園。この700mという数字は、この場所の標高を指しており、これはすぐそばの平昌郡の平均標高と同じ。韓国の背骨ともいえる太白山脈の高地に位置し、3代、40年にわたる歴史があります。
さて「甘露茶(감로차、カムロチャ)」という名前のお茶をご存知でしょうか。その漢字をみると、何か馴染みのあるような気もしてきます。
これはなんとアジサイ(수국、スグッ)のお茶。「えっ?アジサイのお茶?」「アジサイって毒性のある花なんじゃないの?」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、心配するなかれ。観賞用のものは毒性がありますが、食用は特に問題がないとのこと。下の写真がアジサイの葉です。
驚くべきことなのは、このお茶を口にすると、甘味がすーっと広がります。ティーパックをお湯でだし、飲んでみると甘ったるさはなく、薄荷ほどのスーッとする感じまでにはいきませんが、それでもすっきりとしたお味。もちろんノンシュガーなのですが、これは砂糖の1000倍の甘さなのだとか!
[種類はオリジナル、そば甘露茶、ドクダミ甘露茶、玄米甘露茶〕
甘露茶のパッケージの色鮮やかさにもそそられますが、やはりその甘さには驚かされます。1つのティーバックから3~4杯はとれるといい、タンブラーにティーパックを入れておいても、充分楽しめるのだといいます。(※後から調べてみると0.3gのティーバックと、1gのティーバックがあるので、後者ならタンブラーでも良いのかなと思います。
甘露茶の効能が明確にされているわけではありませんが、砂糖に代わる甘いものとして、ダイエット効果が一番に挙げられます。無糖なので糖尿病の人でも安心して飲めます。
茶葉そのものを口にすると、茶葉特有の苦みは微妙に感じられるとはいえ、やはり甘いのです。この甘さは韓国国内の大手酒造メーカーのお酒の人工甘味料としても使われている、とのこと。
この農園ではアジサイの栽培を行うとともに、小さな加工工場を併設しており、そのなかで茶葉へと仕上げます。葉を乾燥させたあとに、洗浄し発酵させるなど7つの行程(特許)を経て、製品となります。
さて、アジサイが栽培されている農園を実際に見せていただきました!その敷地は3万坪とのこと。
じゃじゃーん。
いかがでしょう?これがアジサイを栽培する農園には見えますでしょうか?そうは全く見えず、シラカバが生えた単なる山の斜面です。
下の写真の中央にある葉がアジサイの葉です。このアジサイには農薬を使っておらず、このように他の雑草とともに育てられているのです。
●甘露茶はどこで購入できるか?
さて甘露茶は現在、建大、九里など韓国のロッテ百貨店4店舗で販売している、とのこと。箱に入ったタイプは健康を気にする方への贈答用としても喜ばれそうです。現地で買う場合は4箱セットで買って、バラバラにして1箱ずつ配ってもよいかもしれません。
甘露茶は飲み心地がよく、筆者としてもなかなかお気に入り。「砂糖の1000倍の甘さ」といわれると、一度口にしたくなる方も多いと思います。周囲の人の評判もよいので、いちど試してみていただきたいなと思います。
こちらは日本にもすでに輸入されています。飲み心地がよいこともあり、すでに複数の会社でネット販売もされています。「試しに購入してみる」というのもよいかもしれません。
種類は前述したように、オリジナル、そば甘露茶、ドクダミ甘露茶、玄米甘露茶があります。ティーパックは1g×10包のものと、0.3g×30包のものがありますが、前者のほうが圧倒的に安いです。1gだと3~4杯とれるかなというところでしょうか。
『GAMRO700』有機玄米甘露茶(1g×10包)天然甘味(421円~・各種あり)
【甘露茶700】快い甘露茶 1袋 (総9g (0.3gX30tb)) (930円~・各種あり)
海抜700m、江原道の清浄地域の山の中で育てられたアジサイのお茶をぜひ一度口にしてみませんか。
取材協力:GAMRO700