林家たい平&咲良えつこ「夜明けの散歩」をソウルに例えてみた

2021年11月17日発売・林家たい平「ゴルフは楽し」(日本コロムビア)のB面として収録されている林家たい平&咲良えつこ「夜明けの散歩」(作詞:一輝進、作曲:小網準)。

夜更けから夜明けにかけての東京都心を男女二人が散歩するちょっと意味深な、昭和レトロな大人のデュエット曲で、MVを見てみると林家たい平さんがウイスキーと思われる氷のグラスを持っており、この歌の深みや渋みが感じられるところではないでしょうか。

そこに昭和30年代に建てられた東京タワーが写っていると、なんだか東京はオールドな街にも思わせてくれます。

この曲の歌詞のなかには東京で実在する通りの名前が出てきます。歌を知ったあと、その場所に実際に出かけて写真に収めてきましたが、書籍『ソウル25区=東京23区』の筆者としては「ソウルだったらこれはどこなのだろう?」と考えずにはいられませんでした。

実際のコラム記事としての実現は難しいので、このブログにて考察することにします。(※歌詞の掲載は著作権の問題があるため、必要最低限のフレーズのみの引用にとどめます)

まずこの曲の歌詞に出てくる地名・通りは「駒沢通り」「旧山手(通り)」「246(国道246号線)」「澁谷」。あえて旧漢字を使用して表現をしているようです。これは余談ですが韓国では日本で言う旧漢字が使われます。 歌詞:夜明けの散歩(Uta-Net)

MVの映像からも推測すると「1番:駒沢通り(恵比寿駅周辺)~旧山手(代官山駅方面)」、「2番:246(青山通り)~渋谷駅」が舞台になっていることがわかります。これは渋谷区から目黒区のあたりとなります。

これをソウルに例えるならば、書籍『ソウル25区=東京23区』では「江南区=渋谷区・目黒区の一部」としており、江南(カンナム)区あたりに例えるのがふさわしいと思います。

当然ながら歌に出てくる場所を完全に結び付けることは無理があるので、ソウルのなかで大体の場所を示します。

まずは「渋谷駅=江南駅」とします。近隣が過去をふくめて「ITの街」である点は共通点しています。


[江南駅前]

渋谷スクランブル交差点の下に地下街(しぶちか)がありますが、江南駅にも地下商店街があります。

また渋谷の円山町はラブホテル街としても知られますが、江南のお隣の論峴洞(ノニヨンドン)はルームサロンがあったりと花街のような場所です。イメージが大人の街としての渋谷・江南周辺なのだと思いますし、「夜明けの散歩」のイメージに合っているといえるかもしれません。


[ソウル・論峴洞]

駒沢通りから旧山手通りを行くと大使館や異国風の建物が並ぶ代官山方面へ続き、これはソウルでいうならばカロスキルへ行くようなものです。大まかな設定ですが、江南駅からカロスキル方面へ歩いているものと見ればよいかと思います。

男女が人通りの少ない夜の街を歩く、というシチュエーション。「碧い街路樹 舗道」から、「駒沢通り」へと歩いて行く場面。これは南青山七丁目交差点あたりから広尾小学校へと抜けていく通りが考えられます。この通りは青々とした街路樹が生い茂っています。

この道を南に行くと明治通りと交差し、そこが駒沢通りの起点に。JR恵比寿駅へと抜けていきます。

恵比寿駅を抜けて、渋谷区恵比寿南の鎗ヶ崎交差点で旧山手通りと交差します。ここから旧山手通りを北上すると代官山の街へ。

代官山の旧山手通り沿いには、エジプトやマレーシアなど各国の大使館などがあり、建物からしてもエレガントな印象を受けます。そして蔦屋書店の複合商業施設・代官山T-SITEもこの通りにあり、休日にふらっと訪れたい場所です。

そんなエレガントさという面ではカロスキルに似ているとも言えるのですが(『ソウル25区=東京23区』では、カロスキル=代官山+自由が丘)、代官山はカロスキルのようにショップが密集しているというわけではなく、大使館があったりと周辺が高級住宅街ともいえる点では瑞草区の方背洞、または龍山区の漢南洞あたりにも似ています。


[龍山区の漢南洞]

そしてこの旧山手通りを北上すると渋谷神泉町交差点にて2番の歌詞に出てくる「246」と交差するのですが、首都高の下を歩いて行けば渋谷までたどり着きます。

咲良えつこさんのインスタグラムに出ていた場所がおそらくここだと思います(※引用という形で埋め込みますが、万一問題があればご一報ください)。

 

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その渋谷駅周辺では近年、SHIBUYA109では韓国アイドルを起用した催事が行われてたり、若者をターゲットにした韓国発のセレクトショップALAND(エーランド)が出店したりと韓国要素もあります。さらに渋谷ハチ公口には韓国美容整形アプリ・カンナムオンニが大々的に広告を出していたりもします。

このように林家たい平・咲良えつこ「夜明けの散歩」を題材に東京の街をソウルに例えてみました(当然限界はあります)。

書籍のなかには駒沢通り、旧山手通りは出てきますし、その部分を読んで頂くと筆者も実際に通って書いていることが分かると思います(文字は小さいですが……)。

昭和レトロな世界や、東京の街が好きな方は「夜明けの散歩」を聞いてみたり、実際に歩いてみてはいかがでしょうか。