江陵名物のコーヒー通りと、特産品として期待がかかる甘露茶(カムロチャ)

江陵(カンヌン、강릉)といえば、2018年の平昌五輪の際にスケートなどの主に室内競技が行われたところです。そんな江陵は、寒冷地なのにも関わらず、コーヒーの生産を行っている珍しい地域。海岸沿いにはコーヒー通りがあり、若者を中心に人気を集めています。

●安木港コーヒー通り
韓国の東海岸のなかでもとくに海水浴客でにぎわう鏡浦海水浴場の少し南には鬱陵島への船が出港する安木港(江陵港)があります。 すぐ隣は海水浴場になっており、そこにずらりとカフェが並んでいます。

そこにあるカフェは外観もおしゃれで、海も眺められるので、つい入って見たくなるのですが、まず驚くことといえば、中層の建物すべてがカフェになっている店があるほか、営業時間もなんと午前から深夜まで。江陵は中小都市といった規模ですが、カフェ通りは各地から人が押し寄せます。

ここにあるカフェのひとつが「 Bossa Nova 」。ガラスを通して海を眺めることができる、見るからにお洒落なお店。

店内に入ってみると、有名人のサインが掲げられているほどのお店。ドラマ「그래 그런거야(クレ クロンゴヤ) 邦題:これが人生!ケ・セラ・セラ 」のロケ地にもなったのだといいます。

注文したのは「バニララテ(바니라라때)、4800ウォン」。夜の海岸を散策したあと、コーヒーを口にしてリフレッシュしてみませんか。

江陵市内ではカフェ通りにも表れているようにコーヒー文化が生まれ、コーヒーを栽培しているところもあります。

そして江陵では有名になったコーヒーとともに、それに対抗できる新たな特産品としてアジサイのお茶「甘露茶(감로차)」に期待がかけられているのだといいます。参考記事: 聯合ニュース(2016年8月23日)

●もうひとつの特産飲料、甘露茶の産地へ
コーヒー通りを訪れた次の日は江陵市のなかでも海岸から離れて山のほうへ。平昌(ピョンチャン、평창)に近接した江陵市王山面(왕산면)には「GAMRO700(감로700)」という農園があります。

このあたりの標高は海抜700m。3代、40年以上にわたって有機栽培でアジサイを育てており、この地で「甘露茶(감로차、ガンロチャ)」として加工して出荷します。そのお茶はソウルの百貨店でも販売されているのだとか。



「アジサイ茶」と聞いて馴染みが薄いかもしれませんが、観賞用のアジサイには毒があるのだといいます。ただ、ここで育てられるのは食用のものであり、もちろん無毒。一般に販売されるお茶はティーバッグに入っており、無糖ながらも砂糖の1000倍もの甘さがあるのだとか。

実際にアジサイ茶を飲んでみると、口のなかに甘味が広がります。砂糖のようにねっとりと残る甘さはなく、とてもスッキリした後味。この甘さはお酒などの人工甘味料としても使われているのだとか。これはいちど試してみる価値ありです。

※甘露茶についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 無糖なのに驚くべき甘さの甘露茶(カムロチャ)~700mの高地で栽培したアジサイのお茶

●コーヒーに対抗できる特産品として
江陵ではコーヒーに対抗できる特産品として、甘露茶に注目しているようです。韓国に詳しい人ならば、江陵にコーヒー通りがあることはご存じの方だったかもしませんが、次なる名物として砂糖の1000倍の甘さの甘露茶にぜひ目を向けてみてください。

日本で甘露茶が健康茶のひとつとして、注目される日がそう遠くないかもしれません。

吉村剛史(トム・ハングル)

投稿者: 吉村剛史(トム・ハングル)

1986年生まれ。20代のうちに韓国100市郡・江原道全18市郡踏破。1年8か月のソウル滞在経験がある。2012年に韓国文化誌『スッカラ』でライターデビュー。同年韓国の新聞・中央日報にも掲載。「海外ZINE(トラベロコ)」に連続寄稿中。新大久保の取材では「散歩の達人」2018年2月号 コリアンタウン特集、「新大久保コリアンタウン70年史」(海外ZINE)他 。プロフィール詳細 ホームページ Twitter:@tomhangeul